【applimo】ノーコードでアプリを作ってみた・続 ~デベロッパー登録とストア申請~

前回は、文系女大学生・プログラミング経験なしの筆者がノーコードサービス「applimo」を使ってアプリを完成させるまでのプロセスをご紹介しました。
用意した素材をマニュアルに従って挿入するだけの簡単な作業で、無事にアプリを作ることができました!
しかし、作ったアプリを実際に使用するには、また別の手順が必要となります…
アプリ開発には、「アプリの制作」と「アプリの公開」の2つのフェーズがあるんですね。
この記事では後者、applimoで作ったアプリを公開して使うまでのプロセスをご紹介します!
・applimoで作ったアプリを使うには何が必要?
・登録や申請って大変そう…
・アプリを公開するまでの費用や時間はどのくらいかかるの?
という疑問をお持ちの方の参考になれば幸いです。
思わぬ難関…!?ディベロッパー登録
アプリが完成したら、デベロッパー登録をします。
デベロッパー登録とは、作ったアプリをApp StoreやGoogle Play Storeで配信するために必要な「開発者登録」のことです。
applimoで作ったアプリはApp StoreとGoogle Play Storeの両方に対応しており、両方のストアで公開するには、iOSとGoogleそれぞれでデベロッパー登録を行う必要があります。
そして、このデベロッパー登録が思わぬ難関に………
原因の1つとして、筆者がApple IDやGoogleアカウント、会社情報などを全く把握していなかったことに大きく由来していると思います。
つまり、デベロッパー登録やストア申請を行う際には、管理者と管理者の情報、請求先などを明確にしておくことがとても大切です!
以下では、デベロッパー登録の際に必要なものもまとめているのでチェックしてみてください!
iOSのデベロッパー登録
手順
1. D-U-N-S Numberを取得する
2. Apple IDの登録をする(新規で行う場合のみ)
3. 2ファクタ認証の設定を行う
4. Apple Developer Programに登録する
①登録のための申請をする
②審査&本人確認
③登録完了
5. ストア申請に伴う権限付与を行う
必要なもの
①Mac, iPhone, iPadのうちどれか一つ
②会社の情報(会社名、住所、電話番号)
③アプリ担当者情報(担当者名、メールアドレス、生年月日)
④D-U-N-S Number
⑤支払い用クレジットカード
注意:Apple Developer Programに登録するためにはApple IDを取得する必要があります。そのためMac, iPhone, iPadのどれかが必要となります。
※手順に記載の通り、既に持っている方は新しいIDの取得は不要です!
注意:Apple Developer Programへの登録は年間11800円(税別、2022年5月18日現在)の費用がかかります。また、年に1度更新する必要があり、自動更新ではないため毎年支払い手続きを行うことになります。支払いを忘れた場合、ストアからアプリが非表示となります。
注意:Apple Developer Program のメンバーシップは1法人につき1つであるため、もし以前にApple Developer Programに登録したことがある場合の手続きは不要です!
とにかくapplimoで配布している「iOS Developer 申請マニュアル」を熟読して、ひたすら指示に従うことが鉄則!基本的にはそれで問題なく進めることができます。
ここでは、見逃してしまったり分かりにくかったりする箇所をいくつかピックアップして詳細に説明します。
注意点
2ファクタ認証はスマートフォン・タブレット、PCでも可能
「iOS Developer 申請マニュアル」には、Apple IDの2ファクタ認証のやり方がスマートフォンの画像で記載されています。筆者はPCで作業していたため、「これはスマートフォンでしかできないのか?」と混乱してしまいました。実際、やり方はスマートフォン・タブレットでも、PCでも変わらないため、マニュアルと同じように進めることができます。
PC(Mac)の場合、左上のアップルマークから「システム環境設定」→「Apple ID」→「パスワードとセキュリティ」で設定できます。
法人で登録する場合、Gmailは不可!
iOS Developer登録に必要となるメールアドレスはGmailでは不可でした。法人で登録する場合は必ず社用メールを用意しましょう!(個人で登録する場合はGmailで設定できます。)
ちなみに「iOS Developer 申請マニュアル」には申請後「約1週間以内にAppleから本人確認の電話がかかってきて、確認でき次第、購入手続きのメールが送られる」と書かれていますが、筆者の場合は電話はなくメールが届いただけでした。本人確認のメールは申請した日に届き、翌週には購入を済ませ、登録完了できました!
Googleのデベロッパー登録
手順
1. Googleアカウントを作成する
2. GooglePlay Developer Consoleの登録をする
3. ストア申請に伴う権限付与を行う
必要なもの
①Googleアカウント(既にGoogleアカウントを持っている場合でも、ドコドア株式会社にアカウントを共有するため、アプリ申請用に新しいアカウントを作成する)
②会社の情報(会社名、住所、電話番号)
③アプリ担当者情報(担当者名、メールアドレス、生年月日)
④支払い用クレジットカード
Googleのデベロッパー登録に関しても、マニュアルを熟読して指示に従うことが鉄則であることに変わりはありません。
注意点
電話番号は+記号、国コードまで
Google Developer登録で入力する電話番号は+記号、国コード(日本の場合、+81)必要&ハイフン不要となります。また恐らくGoogleアカウントを作成した際の電話番号でないと通らないと思われます。筆者は別の電話番号で登録したら弾かれてしまい、Googleアカウントを作成した際に登録した電話番号で設定したら無事に通りました。
最後の関門、ストア申請
デベロッパー登録が終わったら、いよいよストア申請です。
ストア申請とは、作ったアプリをApp StoreやGoogle Play Storeで公開・インストールできるようにするための審査に申請することです。
両方のストアで公開するには、iOSとAndroidそれぞれでストア申請を行う必要があります。
アプリを公開するまでの最後の関門…申請して審査が通ればアプリを公開できます!
しかし、ストア申請でリジェクト(申請拒否)されてしまう場合が多いのも事実…
デベロッパー登録のときと同様、ストア申請を行う際には管理者と管理者の情報、アプリの情報などをきちんと把握しておくことが大切です!
それでは、iOSのストア申請から順に見ていきましょう!
iOSのストア申請
手順
1. DeployGateのアカウントを作成する(新規で行う場合のみ)
2. スマートフォンにTestflightのアプリをダウンロードする
3. MacPCにXcodeをインストールする
4. MacOSにTransporterをインストールする
5. applimoで申請用データを入力する(Androidのストア申請で入力済みの場合は不要)
6. 入力したデータを書き出す
7. App Store Connect上に新規Appを作成する
8. アプリをテスト確認する(スクリーンショットを撮る)
9. iOSストアでアプリを申請する
必要なもの
①アプリの名前
②アプリのサブタイトル(アプリ名の下に表示される補足説明)(最大30字)
③applimoの管理画面ログインID、パスワード
④Deploy GateのログインID、パスワード
⑤サポートURL*
⑥プライバシーポリシー*
⑦アプリに関する説明(特徴や機能など)(最大4000字)
⑧コピーライト(©︎ アプリ制作年 法人名/個人名 例:©︎ 2022 DOCODOOR Co., Ltd.)
⑨スクリーンショット(4種類 各3〜10枚)
iOSのストア申請は必要なものが多い上に、準備に時間がかかるものばかり…
特に * が付いている項目は注意が必要なので、以下で詳しく説明します!
注意点
サポートURLとプライバシーポリシーのURLはLPでOK
「必要なもの」に記載した通り、申請にはサポートURLとプライバシーポリシーが必要です。どちらもURLを貼らなければいけないのですが、必ずしもWebサイトが要るという訳ではありません!
サポートURLは、アプリについて問い合わせがあった際の連絡先が確保されていれば良いので、TwitterやFacebookでも申請が通る場合があります。ただ、チェックが厳しいとリジェクトされてしまうこともあるので、SNSよりは手間がかかりますがLPを制作する手もあります。
プライバシーポリシーも作成したら、サポートURLと同様にLPで公開すれば問題ありません。
検索すると、サポートURLのための簡単なLP制作方法やプライバシーポリシーの書き方が出てくるので参考にしてみてください!
スクリーンショットは4種類、各3〜10枚
applimoの「申請マニュアル」にも記載されていますが、ストア申請の際に必要となるスクリーンショットは「iPhone 6.5インチ」「iPhone 5.5インチ」「iPad Pro 第3世代」「iPad Pro 第2世代」の4種類で各3〜10枚必要になります。
しかし、これは必ずしもそれぞれの端末で撮ったスクリーンショットを用意しなければいけない訳ではなく、規定のサイズで画像を作成すれば問題ありません!
規定のサイズは以下の通りです。
・iPhone 6.5インチ:1284×2778
・iPhone 5.5インチ:1242×2208
・iPad Pro 第3世代:2048×2732
・iPad Pro 第2世代:2048×2732
私は自分のiPhone(6.1インチ)でスクリーンショットを撮ってCanvaで画像を作成しました。サイズが合っていれば文字や装飾を加えても良く、私はCanvaが配布している端末の写真や画像に自分で撮ったスクリーンショットを埋め込む形で加工しました。
iPhone 6.5の3枚。ホーム、ニュース、フォトギャラリーの3画面を採用しました。
この4種はサイズの他にホームボタンの有無が大きな違いです。そのため実際の端末の形状に合わせて、iPhone 6.5とiPad Pro 第3世代はホームボタンがない端末の写真、iPhone 5.5 とiPad Pro 第2世代はホームボタンがある端末の写真に。
Androidのストア申請
手順
1. DeployGateのアカウントを作成する(新規で行う場合のみ)
2. スマートフォンにDeployGatetのアプリをダウンロードする
3. applimoで申請用データを入力する(先にiOSで入力済みの場合は不要)
4. 入力したデータを書き出す
5. アプリをテスト確認する(スクリーンショットを撮る)
※iPhoneユーザーはテスト確認できません
6. Google Play Consoleでアプリを申請する
必要なもの
①アプリの名前
②applimoの管理画面ログインID、パスワード
③Deploy GateのログインID、パスワード
④アプリに関する短い説明文(最大80字)
⑤アプリに関する詳細な説明(特徴や機能など)(最大4000字)
⑥アイコン画像(JPEG / 32ビット PNG 512×512)
⑦フィーチャーグラフィック*(JPEG / 14ビット PNG 1024×500)
⑧スクリーンショット*(3種類 各2〜8枚)
*が付いている項目は以下で詳しく説明します!
注意点
フィーチャーグラフィックが必要!
フィーチャーグラフィックとはGoogle Play Store全体の広告部分や、類似アプリの商品ページで表示される宣伝画像のこと。アプリの魅力を画像1枚で伝えて新しいユーザーを引き付けることが狙いです。
私はこちらの画像もCanvaで作成しました。ポイントはユーザーに見てほしいテキストやビジュアルをできるだけ中央に配置することだそう。
「フィーチャーグラフィック 例」で検索をかけると、広告とは言え、ごちゃごちゃしたデザインのものは意外にも少なくシンプル且つインパクトがある画像が多かったです。
筆者はこのような出来になりました。
スクリーンショットは3種類、各2〜8枚
スクリーンショットはiOSと同様、サイズが合っていれば画像の装飾や加工もOK。つまり、iPhoneユーザーの筆者もiPhoneでスクリーンショットを撮り、加工でAndroidの大きさに合わせることでバッチリ大丈夫でした!ただ、iOSとは用意する種類とサイズが違い、流用は出来ないので注意です。
種類
・スマートフォン
・7インチ タブレット
・10インチ タブレット
サイズ
JPEG または 24ビット PNG(非透過)、320〜3840pic、アスペクト比 9:16
こちらもCanvaで作成しました。(Canva様様です…)
iOSとAndroidのサイズを比較するとこのようになります。デザインは変えずにリサイズ。Canva、本当に使いやすい…(回し者ではない。)
まとめ
さて、この記事ではapplimoで作ったアプリを公開するまでのプロセスについて、注意点を拾いながら解説しました!
いかがだったでしょうか?
要所要所でクリアしなければいけないポイントがありますが、リジェクト(申請拒否)されないためには焦らず一つ一つ丁寧に取り組んでいくことが大切です。
なぜこんなことを言うのかというと…気になるのは結果ですよね?
筆者のストア申請の結果は…
Googleで通過!!!!!
iOSでリジェクト…
1勝1敗でした。(勝ち負けはないけど)
悔し〜〜〜〜〜〜!!!!!
ということで、図らずもこの記事は続々編に続きます。
次回はリジェクトされた場合の対処法についてご紹介します!
Googleは1発で通過できたので、Googleのリジェクト対応については詳しくお伝えできないのですが、applimoの「申請マニュアル」にもリジェクト対応についての説明が記載されていたのでご心配なく。
それでは「ノーコードでアプリを作ってみた・続々」も(リジェクトされた方は)ぜひご覧ください!
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